第226章 彼女の顔をまったく覚えていない

宮本景太は、結衣の顔に浮かんだ悲しげな色を見て、なぜだか胸の奥がきゅっと締めつけられた。

「……泣かないで。俺が探してあげるから」

何を言えばいいのか分からず、彼はただ約束するしかなかった。

「必ず見つける。俺が、絶対に」

「実はさ、結衣。君から話を聞いたあと、君が言ってた寺に人をやって調べさせたんだ」

寺の周辺の村人にも当たらせた。橘結衣の師匠に繋がる手がかりを、少しでも拾いたかった。

「でも、妙なことがひとつある」

「君の“師匠”を見たことがあるっていう人間が、みんな口を揃えて言うんだ。顔が思い出せない、って」

おかしすぎる。

寺の住職に至っては、師匠のことを尋ねても、...

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